あの日から浮かぶのはいつも決まって
この人が何を思っているのか
いやむしろ何なのか
本当に理解不能だった。
『警視庁の陸の孤島』と呼ばれる『特命係』。
俺、左遷されてここに来たのに。
思いっきり落ち込んでるのに。
なぐさめの言葉のひとつくらい、かけてくれてもいいじゃん!
だけど、そんな言葉はまったく無く。
と思ったら、細かいコトでチクチクとイヤミ言われるし。
あんまり態度が冷たいもんだから
コノ人もしかして感情欠落してんじゃね−の!?
って本気で考えたこともあるくらいで。
でも、はじめて右京サンの(自分勝手な)捜査についていった時。
ふとしたことで触れた、右京サンの信念。
冷たいだけの人かと思っていたけど
実はかなり熱い人なんだと、はじめて実感した。
そしてそれをひたむきに貫き通す姿は
本当にカッコ良くて。
あの日から浮かぶのは、いつも決まって
『杉下右京』という人間は熱いのか冷たいのか
という疑問。
そんなくだらないコトをぐるぐる考えているうちに
自分でも知らない間に彼にのめり込んでいたのかもしれない。>next
>top