溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情

ココロの奥から溢れ出てくるのは

どろどろとした醜い感情。

浅ましい独占欲。


キミの想いが自分に向けられていると知った瞬間から

それらは一気に湧き起こってきて。

自分にもまだこんな感情が眠っていたのだと

改めて思い知らされる。

そして同時に、恐怖を覚えた。




  コンナ自分ノ本性ヲ知ラレタラ

  貴方ハキット自分ヲ嫌イニナルハズダカラ...





ふいに、強く抱きしめられた。

気が付くと力強い、あたたかい腕の中で。

そしてキミは泣きそうな顔で、小声で叫んでいた。



ああ...。


心の中に、清流が染み入るような心地がした。

どろどろとしたものも何もかも全てを

洗い流してくれるような。

何もかもが許されるような。


清々しい気分に抱かれながら

気付くと彼の背中に手をまわしていた。



   
     あなたの本当の声を、俺に聞かせてください。

     隠さなくていいから。俺だけには。

     あなたの全てを、俺に見せてください。

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