このお話は、裏要素を少々含んでいます。
あからさまな表現は控えているつもりですが...。
亀山と右京の
からみが苦手な方や拒否反応の出る方は
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狂気

月明かりにシーツが青白く浮かび上がる。
真っ暗な部屋の中。
ベッドの海にふたりの影。

「ふ…んんっ…!」

噛み付くような荒々しいキス。
息を継ぐ暇も与えられず。
力まかせに抱き締められて、とうとう右京は悲鳴をあげた。

「亀山君、痛い…です」
「あ、すみません…」

いつもは壊れ物を扱うかのように触れてくるのに
今日の彼は、なぜか彼らしくなくて。


まるで何かに脅えている獣のような瞳で。


その獣をあやすように
そっと、頬に触れた。

「どうかしたのですか?」

亀山はその手に自分の手を重ね
少し哀しげな瞳で右京を見つめた。


「人は人を好きになると、殺せてしまうもんなんですかね」


ぽつりと、ちいさなひとこと。


思いもよらなかった発言に右京は目をまるくした。

「俺、どうしてもあの瞳が忘れられなくて…」



小暮ひとみ。


父親を過剰に愛するあまり、殺してしまった。
もう魂の入っていない身体であっても、彼女の執着は失われることなく。

俺たちを見る彼女の瞳は、もう光を映してはいなくて。
見つめていると、こちらまで深い闇に吸い込まれそうになる。


それでも彼女は笑っていた。


世界を統べた、女神のように。



「…人の想いというものは、怖いですねぇ」

「右京サン?」

「愛情というものには、少なからず独占欲がつきまとうものです。
 特別な存在でいたい。
 自分だけのものにしたい。
 他の誰にも触れられたくない。
 しかし、強すぎる欲はやがて人を狂わせます。
 自分以外の何かに相手を奪われるのが怖くなって
 自分以外の何かに興味を持つ相手に憎しみを抱くようになる。
 たとえそれが、愛する相手であっても...」


語る右京の手は、やさしく亀山の頬を撫で続ける。


「『愛』と『憎しみ』は相反するもののように見えて
 実はいつも隣あわせにあるものなんですね...」


「…右京サンも、そんな恋をしたことがあるんですか?」

「さぁ。どうだったでしょうか」

亀山の問いかけには答えずに、右京は瞳をふせる。


亀山はそっと右京を抱き締めた。

「でもやっぱり、俺はわからないな」
「亀山君?」
「殺してしまったら何にもならないじゃないですか。
 それに...」

ゆっくりと押し倒して、紅い烙印を残していく。
仰け反る躯をやわらかく抱いてやりながら。



「このぬくもりを失うなんて、耐えられない」

表に置くべきか裏に置くべきかたいへん悩みましたが...。
アレな表現もたいして無いし(裏に行ってもあまりありませんが)
思いきって表に置いてみることにしました。
もし不快な想いをされた方がいらっしゃったら申し訳ありません。
苦情をくだされば、直ちに裏に移転しますので(小心者/苦笑)

さて、2nd2話後のお話でした。いかがでしょう?
実は個人的に、ああいう『愛憎』のからむお話は
たいへん好物だったりします。
泣けます。もう大泣きも大泣き、男泣き!
憎しみで相手を殺してしまっても、その裏にあるものは愛情ですから。
そのまま憎んだままだったら萌えませんけどね。
殺してしまった後に相手の愛に触れて後悔して。
でも手後れ。みたいな。

...相変わらずお約束スキ−ですみませんv

それでも逆に、亀山クンには理解できない世界なのじゃないかなと思いました。
普段からお気楽ごくらくだし(失礼)
『いっしょに居て楽しいのが恋愛でショ?相手がいなきゃつまんない』
なタイプだと思うのですよ。
だから右京サンにもべったりなんですね〜vv

というのをストレ−トに書けばいいのに
今回はあえてシリアスにして攻めてみましたv
それでも特命係はこれからも
相変わらずのらぶらぶっぷりを見せてくれることでしょう♪


そしてなんて無駄に長いコメント...(失笑)