手を伸ばせば、すぐにあなたに届く距離で あなたがたまにふと見せる、少し悲しげな表情。 その顔を見ると なぜだか胸をしめつけられる。 あなたにそんな顔をさせる あなたの過去が知りたくて。 そして この手で、慰めてあげたくて。 だけどこの手は 届きそうで、あなたには届かない。 伸ばしかけた手はいつも あなたに触れる寸前で、躊躇してしまう。 手を伸ばせば、すぐにあなたに届く距離にいるのに でも、その距離は果てしなく遠い。 あなたをこの腕で抱きしめたときに この関係が壊れてしまうことを 俺はひどく怖れている。

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