いつの間にか、いっしょにいるのが当たり前になっていた。
いつの間にか、気持ちまでもが傾いていて。
その感情を自覚してしまったとき。
僕は...........。



どんなに些細なことでも、少しでも可能性があればそれに賭けてみたくて。
とことんまで追求したくなる。
自分の悪い癖だと思いながら。
亀山君とふたりで訪れた、産業廃棄物処理場。
その、ささやかな可能性にすがりついて。
それを軽視する彼に、先程はつい、きつい事を言ってしまった。
『捜査の基本』などと言いながら、結局のところは自分の我が儘かもしれないとも思った。
己の探究心から起こる行動だから。
以前ならば、きつい事を言いながらも、実際に捜査するのは自分ひとりで構わないと思っていた。
まぁ、その注意はあくまで基本姿勢についてであって
『きつい事を言っている』という自覚はなかったのだが。(周りはそうも思ってくれなかったようだが)

だが、彼は違った。

文句のひとつやふたつを言いながらも、今も必死になって証拠はないかと捜してくれている。
そして、それがすでに当たり前のことであるかのように思っている自分がいる。
こうやって一緒に捜査を繰り返しているうちに、知らずのうちに甘えてしまっているなと思い
苦笑いを、そっと噛み殺した。


「あ。コレじゃないッスかねぇ?」
埃まみれのカ−ペットの山の中から、ひとつ取り出した。
確認のために広げ、記憶の中の写真と照らし合わせる。
色・形・大きさは、よく似ている。
「ビンゴじゃないッスか?コレ」
「かも、しれませんね」
その時。
バサッという音ともに、視界が真っ暗になった。
「あ?」
亀山君が振り返るのにつられて見ると
めくり上げていたトラックのシ−トが落ちてきたのだった。
「あらら」
シ−トをもとに戻すために、かけ声をかけて立ち上がろうとした。

だが。

「おわっっ!」
「........!!」

足下のカ−ペットに足をとられて、バランスを崩した。。
思わず掴まれた腕を支えきることができずに、巻き込まれるようにふたり倒れこんだ。
いつもなら、『すみません』の一言で済まされる、些細な出来事のはず。
だったが。


おそらく、見られてしまった。


動揺に揺れた瞳を。



しばし、視線が外せなかった。
彼もまた、自分と同じような瞳をしていたから。


至近距離で、彼の吐息を感じる。
やけに鼓動がうるさい。

別に自分たちは、すでに純粋な関係というわけではなかったのに。
どうして今さら、自分はこんなにもドキドキしているのだろう。


「............右京サン」

低い囁きとともに、ゆっくりと近付く彼の顔。

動けなかった。


まるで、甘い痺れで全身が侵されてしまったかのように。



「...............ん、...ぁふっ」
そして次第に深くなっていくキス。
流されるまま抵抗できないでいると、彼の大きな手が服の上から躯を弄りはじめた。
「.....人が、来ますから....っ」
その手を必死に止めて、抗議の言葉を口にする。
「..........大丈夫ですよ」
力の入らない手では、抵抗の意味もあまりなく。
耳たぶを嵌まれて、躯がビクリと跳ねた。
それを見逃してくれるはずもなく、そのまま耳を攻められる。
熱い吐息と濡れた舌の感覚が、快感となって背筋を駆け巡る。

だが、躯が流されかけていても、意識の片隅がどうしても落ち着かなくて。
外の気配が気になって。
そして、今の自分の感情に動揺して。

最後の理性を振り絞って、勢い良く彼の躯を引き剥がした。


「................」

瞬間、彼は驚いたような顔をしていたが、すぐにそれは苦笑いへと変わった。

その表情がなぜか、彼らしからぬ『大人』の顔に見えて。
思わず目をそらした。

「......まったく」
乱れかけた服を整えながら、悪態を付く。
荷台に再び光を取り込むために、立ち上がった。
「すみません」
シ−トを捲ると、背後で彼が、いつもの調子で声をかけた。


そして、あとはいつもどおりの空気に。





なのに、鼓動は何故か、まだうるさいままで。

10話パロです−。
トラックの荷台でカ−ペット物色中。スタンガンでばたり直前ですねv
荷台のシ−トがバサリと落ちてくるシ−ンがあるのですが
あの伏線がどうしてもわからなくて。
というかイロイロ想像しすぎてしまって。
 1.ふたりに黒い影が近付いているという前触れだった。
  (でも、その前のシ−ンでヘルメットを被った男が近付いてきていたのがモロ映ってたし)
 2.偶然撮影中に落ちて来てしまって、NGにせずにそのまま使用した。
 3.実は真っ暗の中で撮影されたシ−ンがあったがカットされた。
  (むしろ御想像におまかせします?)

てゆ−か、ヤりたい放題でショ。あそこ(爆)






実は現在絶不調なので、小ネタとして書くのが精一杯でした。めそ。
モウシワケナイデス...。
気分的にノらないと、とたんに書けなくなるんですヨ。
精神的ダメ−ジからはやく立ち直るためにも
伝説の10話(わたしの中では)よりネタを物色してみたりしました(苦笑)

誰か愛をください−(他力本願)



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