秘メゴト
月日が経つにつれ、お互いの間にある距離は徐々に縮まっていった。
良く言えば親密に。
悪く言えば馴れ合い。
そして、それに気付いたのはいつのことだろう。
気が付くと知らずに目が背中を追っていた。
彼に背中を向けたとたんに感じる、熱い視線。
だけど、その視線には気付かないふりをして。
小さく沸き起こった自分の気持ちには、気付かないふりをして。
なのにその存在の占める割合が
自分の中で日毎に大きくなっていく。
いつかは離れていくのだから...。
揺れ動く心に、いつも言い聞かせながら。
内に秘めた想いは箱にしまってしまおう。
いっそこの気持ちに気付かなければ
こんなにも辛くはなかったのだろうか。